この試みは、学習塾に学校を貸しているだけのことだ!
ちょっと、前の話になるが、杉並の和田中が、夜間の学校を学習塾に提供するという試みが話題になった。都教委は、待ったをかけたが、石原都知事が後押しをする格好になって、結局行うことになった。藤原和博校長は、学校界に新風を巻き起こしてくれていたから第一人者だが、今回の試みには、大変がっかりした。
学習塾にとってみれば、学校を間借りして、その学校の生徒を集めやすくしているだけのことだ。採算を取ろうとしていないといっているが、この月謝の高さは、普通の学習塾であれば、正規の月謝とほとんど変わらない。なんで、こんな試みを学校でやろうとするのかわからない。学校の通常授業とこの学習塾の授業には、何の関連もないということなのだから、学校が、場所を提供する意味はなんだろう。
学校の付加価値で、学習塾の授業が安く受けられますよ、ということなのだろうか。学校の付加価値を学校自体が創造するのではなく、学習塾のサービスを安易に使ってそれを行っていこうとするのであれば、学校や教師の怠慢にならないだろうか。
進学塾のノウハウを活用して、カリキュラムを編成していくのは良いとは思うが、学習塾が、学校を間借りして学習塾として事業を行うだけの今回の試みには、大きな疑問が残る。教育の私事性が蔓延した結果、こんな試みがなされてしまうのだろうが、何でもかんでも新しい試みをすることが良いことなのではない。学校には、学校の領分が、学習塾には学習塾の領分があるはずだ。学習塾の宣伝の片棒を担ぐような今回の試みは、今からでも中止したほうが良いと思う。
それに、中学2年生を対象にするそうだが、中学3年生になったら参加した生徒は、どうすのだろうか。近くにその学習塾が校舎を作って、収容するのだろうか。そんなことを考えてみると、学校の宣伝として、学習塾の宣伝として、今回の試みがあるように思えてならない。



