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文部科学省は、今後の教育行政の方向性を示すべきだ


 私は、2002年の教育改革の本質を教育の自由化と教育の二極化だと思っている。その仕掛けとして、ゆとり教育を掲げ、世間を情報操作した。つまり、学力低下問題を引き起こし、世間に学力問題=教育問題だという構図を定着させ、学力偏重の下地を作った。総合学習の時間や絶対評価は、学校離れを食い止めるための一つのリップサービスだ。
 この教育改革の真の狙いは、エリート教育と大衆教育の複線化の下地作りだ。しかし、戦前のような単純な複線化(二元的複線化)は、国民の反対を巻き起こすから、巧妙に、結果的に複線化(一元的複線化)になるように仕掛けたのだ。
 その前提が、教育の自由化の流れだ。学習指導要領をマキシマムスタンダードからミニマムスタンダードにして、最低限の学習項目を示し、学校の裁量で高度な内容を教えても良いとした。これにより、義務教育でも学校間格差が生じた。ましてや、普通科高校は、エリート校と中堅校では、教科書の名前は同じでも、学習している内容は雲泥の差になっていて、暗黙のうちに大学受験の有利不利を生んでいる。しかし、大学進学の道を中堅高校以下にも閉ざさないように、大学入試形態の自由を確保している(AO入試や一般公募制や指定校推薦などの入試形態が、幅を利かせている)。
 そして、今回の学習指導要領の改訂だ。学力低下問題を受けて、授業時間を増やし、選択科目を削減して、その分を学力向上のために使うように、学校の裁量権を増した。教育改革のスローガンは、なんっだたのか!「みんなが百点を取れる教育」を謳って、ゆとり教育を始めたのではなかったか。こんなスローガンを誰も信じていなかったのに、これを推し進めた結果責任を誰が取るのか。
 文部科学省や中央教育審議会は、今までの教育改革を徹底総括し、自己批判して、今後に臨むべきではないか。そして、今後の教育行政は、どこに向かって進んでいくのかを示すべきではないか。どんな子どもを育てるかという前に、どういう仕掛けで、学校制度を子どもが渡っていくのかを示したらどうだろうか。
 美辞麗句を重ねても意味はない。日本の来るべきリーダーを育てるために、エリート教育をしたい、と堂々と明言するべきではないか。そこから、私たちの教育に対する議論が始まるように思う。私たちに、教育行政の真の狙いを公開するべきだ。戦前の二元的複線化も現在の一元的複線化も私たちは、望んでいないように思えるのだが、どうだろうか。


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