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全国学力調査に想う


 全国学力調査が、これほどスムーズに浸透したのは、ゆとり教育による学力低下問題のおかげだ。それは、教育問題を学力問題に矮小化してしまった日本の文科省の最大の貢献だ。2002年の教育改革で、日本は、目には見えない複線化(エリート教育と大衆教育の二極化した学校制度)の学校制度にこれからドンドンなっていくことになる。
 その仕掛けの一つが、この全国学力調査だ。日本の児童・生徒の学力レベルを知りたければ、任意の学校を抽出して行えば、それで済むところを無理やり全国に押し広げ、無駄に税金を使って、学校の序列化を押し進め、学校に学力忠誠競争を浸透させ、学力の高低で生徒を一元的に管理し、評価していく。そして、学校や教師までも学力を物差しにして、評価していくための仕掛けが、全国学力調査だ。
 教育は、学力をつけるために行うのではない。一人前の人間=大人になっていくために、課題を設定し、その課題を乗り越えることを通して、一人前になる過程が、教育だ。だから、学力を獲得することが、目的ではないのだ。
 学力の獲得を通して、自分と向き合ったり、知的好奇心を喚起されて社会や科学や生活に興味を持ったり、そして、仲間と協同して何かを成し遂げる中で、一人前になっていくことが、教育の目的なのだ。だから、学力をつける過程は、教育の目的ではなく、手段なのだ。このことをもう一度私たちは、確認するべきだ。



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