「夜スペ」は、学校の目指すことなのか!
「夜スペ」に関しては、私は、非常に疑問を感じている。3月にNHKの番組の休憩中に、たまたま藤原氏と「夜スペ」の話を一瞬した。藤原氏は、学校と塾の融合が素晴らしいという中身の議論をしていたが、この問題は、中身の議論ではなくて、手続きの議論が、大切なのだ。「夜スペ」を擁護する人たちは、地域本部が、中心にやっているのだから、問題はないと言っているが、そういう建前で、この問題を避けてはいけないように思う。
今回は、前回起きた批判を解消しようと思ったのだろうか、3年生全員を対象に拡大して、「夜スペ」をやるというのだが、そうしたところで、問題は解決しない。前回は、一部の上位生徒を対象にしたサービスだから、不公平だとか、優遇だとか批判が出た。だから、そんな批判が出ないように、3年生全員に拡大したのだろう。しかし、そうしたところで、問題は解決しない。24,000円という月謝の高さが、もう既に払える家庭と払えない家庭を分けているからだ。
また「夜スペ」は学校と学校に選ばれた学習塾の癒着と、なんら変わらない。学校を学習塾に貸すだけの問題ではない。学校を支える地域本部が、学校ぐるみで、学習塾の宣伝をし、その学校の生徒に「もっと勉強したい人は、『夜スペ』に来なさい!」と働きかけるのだ。そして、「『夜スペ』の授業が難しい場合は、個別指導で、丁寧に勉強を見ますよ!」とメニューを拡大して、生徒獲得をしやすくしたのだ。この状況が、問題なのだ。
そして、さらに問題なのは、学校の生徒を二つの構造に分けてしまう可能性があることだ。つまり、学校の授業と土曜の補習、「夜スペ」のサピックスの授業と個別指導という二つの軸に、生徒を分ける構造になってしまうことだ。こういう構造になってしまうと、「夜スペ」に参加している生徒が、半分を超えた時点で、生徒の意識が分断される可能性がある。今は、3年生全体の32%しか参加していないので、問題にはならないだろうが、半分を超えた段階で、学校の授業を中心に考えている生徒と「夜スペ」を中心に考える生徒が、明確に分かれて、多分上手い学校運営が出来にくい可能性があるのだ。
最後にもう一つ。朝日新聞の記事の中で「中3の内容になるとボランティアで教えるには限界が」あるとあったが、本当にそうだろうか。学校の授業の補習なのだ。学校の授業で教えた内容について、補習をしているのだ。そういう視点で見れば、ボランティアの限界は、それほど問題ではないのではないだろうか。受験指導という観点で語っているようにしか見えないのだ。
今回の試みをもっと問題のないものにしたいのであれば、こういう風にしてはどうだろうか。学校に学習塾が、教室を貸すのだ。家賃をしっかり取って。どんな学習塾にも、学校を開放して、学校は、ただの大家になればよいのだ。3年1組は、A学習塾。3年2組は、B学習塾に教室を貸して、学校の夜間を有効活用すればよいのだ。当然、この学校の中の学習塾には、その塾が、許可すれば、どんな学校の生徒も通ってもいいということで。



