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2009年05月29日

「本読む親の子優秀 下位はワイドショー」というベネッセ調査を読んで


 学校は、文語的な文化を背景に持つところだ。知識は、基本的には、書き言葉の伝達なので、どうしても話し言葉よりも書き言葉に慣れている方が圧倒的に成績が取りやすくなる。子どもが、学校の文化に順応するためには、家庭での文化的なものが、学校文化的なものと共通項が多いほど、いいのだ。今回調査もそのことを裏付けるものだ。
 文字情報に慣れている方が、学校では順応しやすい。社会学者のピエール・ブルデューが、文化資本(家庭が持つ文化的な能力や文化財=親の学歴や教育資格、本などの教養に関する物、文化的な習慣行動)が、学校教育に影響を与えると指摘して随分経つが、日本でもやっと広く知られるようになった。親の文化的な習慣が、子どもに影響を与えるのだ。
 学校は、制度論としてみれば、社会の再生産装置なのだ。親の文化的なレベル(=所得のレベルと相関的な関係にある)を再生産するものが、学校制度だ。親と同じように子どもがなっていくのを制度としての学校が保証するようになっているのだ。今回の調査は、その小さな裏づけとでも言えるものだ。この記事を見て驚いている親御さんは、今からでも遅くはないから、少しは文化的な振る舞いをしてみてはどうだろうか。結果が出るのは、十年ぐらいかかるかもしれないが。


2009年05月09日

指導の効果は、生徒のモチベーションによって左右する!


 先月の終わりに朝日新聞に「導入進む『習熟度別少人数授業』 きめ細かな指導探る」という記事があった。学校の中に随分と習熟度別クラスが浸透しているようだ。しかし、直ぐには効果が上がらないようなのだ。今回は、なぜ、習熟度別クラスの効果がなかなか上がらないのかを考えたい。
 習熟度別少人数制は、学習塾の代名詞のようなものだが、進学塾になればなるほど、この習熟度別少人数制は、上位クラスのためのもので、下位クラスのためのものではない。
 たとえば、進学塾で、6年生が100人いたとすれば、最上位クラスは選び抜かれた生徒20人、上位クラスは25人、中位クラスは25人、下位クラスは30人という具合で分けられる。こういうクラス分けを進学塾は、定期的にやっていくのだ。それは、生徒のモチベーションにかかわることだからだ。
 一般的なクラス分けの効果を言うと次のようになる。最上位クラスに選ばれた生徒は、まさに選別されたことをモチベーションの源泉にする。上位クラスは、次は最上位クラスに入ろうと敗者復活戦を誓ってモチベーションの源泉にする。中位クラスからは、下位クラスに落ちないことをモチベーションの源泉にするようになるが、下位クラスは、モチベーションの源泉を探しにくくなってしまうのだ。
 習熟度別少人数制と言うと、生徒の学力レベルに合わせた指導が効果的だから行なっていると思われているが、進学塾では、そのことが主眼ではないのだ。
 モチベーションの源泉に使っているのと、最上位クラスの学力を引っ張り上げようとすることを主眼にしているのだ。このことをまず押さえてこの記事を読んでみると、習熟度別少人数制は、その形態だけでは、低学力層の生徒を学力的に引っ張り上げることは、効果的ではないように思う。
 学力向上を目論むのならば、生徒のモチベーションに関係する視点がどうしても必要なのだ。低学力層の生徒には、習熟度別少人数制よりも、グループ学習を取り入れて、社会的な文脈から学習を行なった方が、効果的だと思う。誰でもが主役になれる機会を持つことのほうが、学習意欲が湧くからだ。
 教える視点よりもまず、生徒のやる気を引き出す視点を学校にも導入するべきだ。この視点を持つことが、学力向上の第一歩だ。そのために、わかる授業を保証しようと言うのならば、習熟度別少人数制の形態をとって、下位クラスは、教え方の工夫と使用教材の工夫をすることだ。



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